国交省のGo Toトラベル事業

 本日は国交省のGo Toトラベル事業についてです。国内の観光産業の窮状はよくわかります。それを救おうとする理念もわかります。でも、それは今すぐ観光客を増やすことで実施しなければならない事なのでしょうか?

 まずは、この事業の概要をまとめておきましょう。
 事業の開始は7月22日となっていますが、利用の手続きが煩雑ですので、実際に利用するのならば7月27日以降に準備が整った旅行代理店などから始まるとされる業者のサービス提供をまった方が無難です。補助される金額は旅行代金の50%で宿泊費以外の交通費も含まれますが適応されるのはセット販売の場合のみです。宿泊のみ予約して交通手段を別途予約してしまうと交通費分は旅行代金に含まれなくなります。また、直接的な補助は旅行代金の35%となり残りの15%は現地で使用するクーポン券です。その地域共通クーポンの本格的な実施も9月1日以降となる予定です。クーポンの用途も限定されており、行政機関への支払い、光熱費や賃料への支払い、遊技場や性風俗店での使用、金券の購入等には使用出来ず譲渡も禁止です。この事業をいつまで続けるのかは決まっていませんが、国交省が開示している資料の絵からは1年ほどはつづけるつもりかと思われます。

 個人的には、新型コロナウイルス感染症がいまだ落ち着かない現状で、人の移動を増やそうとするこの事業には反対です。感染拡大のリスク上昇は明らかです。もし何かしら避けられない事情で宿泊を伴う移動が必要となればもったいないので利用しますが、医療系の学会もほとんどオンライン化されている昨今では親子や兄弟の葬儀などでもない限り使用機会もなさそうな気がします。安全な地域なら良いでは無いかとの意見もありましょうが、今現在まだ安全だと断言できる地域はありません。この事業の結果として感染が拡大すれば、観光業の復活もさらに遅れることになります。政府におかれましては、観光業への補助金を増やすなどもっと別の方法での支援を行っていただけるように希望します。

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