東京でCOVID-19患者増加傾向

 国の緊急事態宣言が解除される少し前くらいから、主に右派の論客でコロナなんて風邪と同じだと主張したり、経済に打撃を与える大罪をおかしたとして専門家会議を口汚く罵る人が多く見られた。残念ながら彼らに科学的な説得は通用しない。一方で彼らは再生産数のデータを彼ら独自の解釈でコロナが無害である「科学的」証拠だとして提示していた。再生産数が減少に転じる前の各自治体の努力をまるっきり無視して、遅いとの批判が強かった国の緊急事態宣言をコロナ対策の起点として考えれば、なるほどそう言う解釈も可能かもしれないが、結論ありきの誤った解釈であり恣意的な世論誘導が目的だろう。緊急事態宣言程の経済抑制が結果として過剰ではなかったのかどうかは検証されるべきだが、無策でいいはずが無い。

 また、接待を伴う飲食業ばかり叩かれているとの批判もあるが、実際に大きなクラスターが形成されている以上は一定の警戒もやむを得まい。当該職種に関わる感染者数は他の感染者数と比べて少ない等という反論は、一箇所からどれだけ多くの人数が感染したかの視点が欠けている。例えば2〜3名程度の家族内発症が多くあっても、それぞれ追跡や隔離は困難では無い。しかし、接待を伴う飲食業は一度に生じる感染者数が多く、しかも追跡困難な例も多く、見つかった実数以上にさらなる感染拡大を招く。家族が集合しないようにとの指示は難しいが、しばらく飲み歩くなというお願いは可能だ。この結果、遺憾ながら倒産したり失業したりする人には失業保険などの公的補助を利用してもらう事も出来る。

 日本人は何故か感染しにくいファクターX論もある。実際にそうなのかも知れないが、それが何なのか分からない以上は、それに依存した施策は危険だ。

 ともあれ、現に東京の感染者数が再び増加傾向を見せ始めた今、国でも東京都でもいいから、せめて接待を伴う飲食業業の一時停止くらいの対策はすぐに実施すべきだ。

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