大雨

 7月4日から続く大雨で九州の広範囲に被害が出ています。既に多くの方が亡くなられており、衷心よりお悔やみ申し上げます。

 ここ数年、大雨や台風による災害が頻発するのは地球温暖化と関係するのか否か?IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告(2013〜2014年)では、大雨に関しては人間の活動が影響した可能性は中等度、熱帯低気圧については確信度が低いとなっていますが、温暖化自体は人間の活動の影響が確実視されています。第6次の報告は来年になる予定です。近年の災害が人間の活動によるのなら、人間の努力で被害を減少させることも可能かも知れません。調査の結果が待たれます。

 二酸化炭素濃度と温度の上昇は適度であれば農作物の生産向上にも寄与し、産業革命以降の人口爆発は、単に技術的な進歩以外の要因もありそうに思えます。しかし、何事にも限度はあります。一度災害が起きると直接的な死者やけが人や二次的に病気にかかったり持病が悪化したりする人もでます。特に今年は避難所での新型コロナウイルス感染症の拡大も心配です。

 人間の努力で減らせる災害があるのなら減らしたいものです。環境のような大きな問題以外にも、日頃の防災対策も大切です。しかし、残念なことに国の防災関係予算もここ10年では東日本大震災後に増額されていた平成25年度の約4兆9千億円をピークに減少傾向にあり令和2年度は2兆4千億円ほどとなっています。ちなみに事業仕分けでダムや治水工事の中止が相次いでいた平成22年度は約1兆3千億円と低額でそれ以下の低予算は昭和50年度までさかのぼらないとありません。逆に阪神大震災後の平成7年度は約7兆5千億円と高額であり、バブル崩壊後とは言えまだまだ国力のあった時代の日本がしのばれます。

 世界規模でみても防災工事などが十分に出来ない貧困国は災害に弱いのは明らかであり、防災事業は無駄な訳がないと断言できます。景気の改善はそのまま防災の力につながるのです。一方で、これまでの経済の拡大は地球温暖化の原因になっていると思われ、温暖化対策をしつつの経済拡大ができるような努力が必要でしょう。日本の数十年に及ぶ政治経済の混乱は一体いつまで続くのでしょうか?私の世代の努力不足も原因でしょうから大きなことは言えませんが、できる範囲のことを少しずつ頑張って参ります。

 それではまた、合掌。

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