香港国家安全法

 6月30日に可決され7月1日より施行された香港国家安全法は、香港と名がついているが全世界の全住民を対象としており、また犯罪の内容も香港とは無関係のものも含まれ早い話が中国共産党の方針に逆らうのを罪としている。つまり、中華人民共和国が全世界をその法的支配下におくことを宣言した世界に類をみない実に独創的な法律だ。すでに香港では多くの人が逮捕されている。この法律が出来た以上、自由と民主主義を奉じる我々が逮捕されない理由は、我々が中国の権力が直達出来ない土地にいるからに過ぎない。

 この世界史に残るであろう暴挙に対して、イギリスやオーストラリアや台湾は亡命者の受け入れを表明し、アメリカは制裁を発動させている。

 一方で日本政府はと言えば、定形の遺憾の意を表明したくらいだ。与野党の国会議員有志からは抗議の声があがり中国も反応しているが、政府はまだ何もしていない。

 中国共産党は、かつて仏教国のチベットを侵略し文化や宗教施設を破壊して人口の2割を殺戮した。イスラム教圏である東トルキスタンも侵略され、その主要民族のウイグル人は今や文字通りの民族浄化の危機に瀕している。中国国内のカトリック教会も共産党の管理下におかれており、共産党の同意のもとにバチカンは神父を赴任させる。共産党は自分たち以外の権威を認めない。

 香港は陥落した。もし日本が占領されたら、その時だけ共産党が慈悲深くなるとは思わない方がいいだろう。香港国家安全法への抵抗は中国への内政干渉ではない。香港国家安全法が中国以外の国へ干渉しているのだから。まずは、ちゃんと抵抗してくれそうな政治家に次は投票したい。

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