チベット文化圏で軍事的緊張が高まっている件

 各種報道にあるように、インド北西部ラダック地方に中国軍の侵入がありインド軍との間に緊張が高まっています。

 ラダックはチベットの文化圏であり、中国に占領されているチベット本土と比べて、チベット仏教文化がよく保たれている地域です。

 今回の緊張は、中印国境付近のインドの道路建設を阻止しようとする中国軍の介入と見られますが、中国軍は既に4月下旬よりラダック周辺のパンゴン湖、ギャロワン川、デムチョクと、インド北東部のナック・ラと、その東のチベット文化圏の国ブータンのドクラム地方にも浸透が開始されていたと伝えられています。つまり現在、インド東西のチベット文化圏が軍事的緊張にさらされている形となっているのです。

 ラダックは、地理的にはインドと対立関係にあるパキスタンとの係争地であるカシミール地方に位置します。パキスタンは核兵器開発や軍事面で中国から支援を受けており、中国、インド、パキスタンの国境が重なるこの地は戦略的な要衝でもあります。

 かねてより係争地での軍事的緊張であり、本格的な戦火拡大が無いように祈るばかりです。

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