デマへの対処法。

 古今東西、人類は絶えずデマにさらされ続けて来ましたが、世の中が混乱してくると、デマは増えるのもです。デマは人々の恐怖や不安や怒りや貪りの心にとりついて増えます。

 デマに対処するにはまず、自分がデマに騙されてはいけません。絶対に騙されない人なんていませんが、なるべく少なくしていきましょう。もちろん、大量に流れている情報の全てを事実かどうか細かく調べることは不可能ですが、ここでは一つだけ絶対に外してはいけない注意点を書いておきます。

激しく感情をあおる情報はうかつに信用してはならない。

 激しく感情をあおる情報は色々あります。いくつか例をあげると、演説ならば始めから特定の敵を決めてその相手への怒りをかきたてるようなやり方があります。その相手は大体は怒りの対象となりやすいものが選ばれます。その対象への怒りで聴衆の感情がまとまれば、演者の荒唐無稽なデマも信じられやすくなります。何か問題があった時に、単独の個人や組織のみに問題がある事は少なく、感情を掻き立てての問題の単純化は物事の本質を見失わせます。また、社会的な混乱を利用して日頃から敵対している人や組織を悪者としてやり玉にあげ攻撃しようとする者もいます。用心しましょう。また、社会や環境の急激な変化に不安をもつ人たちを騙して暴利を貪ろうとする人も出てきます。実用性のない検査キットや健康食品などの販売もこれにあたります。さらには、単に人が動揺するのを見て楽しむために、わざと恐怖を煽る様な話や、危険を過小評価する様な偽情報を流す愉快犯もいます。こまった事に、当初は一部の人の悪だくみだったこれらの情報は、少しずつ脚色されながら広がり予期せぬトラブルを招くこともあります。ただ、劣化コピーを繰り返したデマでも、人々の怒りや不安や恐怖や貪りを助長するものの方が拡散されやすく広がります。

 感情をあおるような情報は、まず本当かどうか慎重に情報を集めて判断しましょう。探せば必ず反対意見の人もいますので、そちらの意見を聞いてみたり、その分野に詳しい人に尋ねてみるのもいいでしょう。結果、分からなかったら、それは分からなかったと認めるのも大切です。その情報が嘘だと分からなくても、不確かな情報なら信じる必要は無いのですから。

 デマであふれかえる昨今、情報に振り回されること無く心を落ち着けて参りましょう。

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