御詠歌のはなし

 御詠歌と言われる、独特の節をつけて歌われる仏教に関する和歌があります。いわゆる霊場と呼ばれるお寺などと関連付けられた歌が多いです。実際の歌われ方は「御詠歌」で動画検索をすれば、いくつも出てきますので試しに聞かれてみてください。

 さて、そんな御詠歌ですが、今日は因幡堂平等寺の薬師如来の御詠歌の一つと言われている次の歌を紹介します。

 南無薬師  (なむやくし)
 諸病悉除の (しょべうしつじょの)
 願なれば  (がんなれば)
 頼まぬ人も (たのまぬひとも)
 平等にして (びようどうにして)

 下の句最後の平等は平等寺にかけたものでしょう。この歌は上の句最後の願なればの意味を「(信者の)願が成れば」なのか「(仏の)願だから」と取るのかによって意味が異なりますが、個人的には後者を採用して、以下のように現代語訳してみました。

現代語訳(意訳):
全ての病を除く願を立てられて、全ての人を等しく救う薬師如来に帰依します。

 疫病の鎮静を祈って、南無薬師如来。

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