お彼岸

 今回はお彼岸の話です。今年は3月20日を中日とした1週間です。皆様はお墓参りは済みましたか?

 お彼岸は日本独自の仏教行事で、春分と秋分の日の前後にお墓参りなどをして祖先に感謝します。世界各地で春分秋分を祝う風習はあるので、仏教と日本土着の風習が合わさって出来たものとも言われています。春分・秋分の日はちょうど真西に日が沈むので、西方にあるとされる阿弥陀如来の極楽浄土に関連付けられたとする説もありますが、浄土教系以外の宗派にもこの風習はありますし真偽は分かりません。

 お彼岸は日本独自の習慣ではありますが、仏教の思想も内包します。仏教では縁起(因縁)の考えを大切にします。これは、原因があるから結果があり、原因が無ければ結果も無いとする考え方です。仏教で煩悩を滅しようとするのは煩悩が苦しみの原因であり煩悩が無ければ苦しみもないと言う図式が成り立つからです。縁起の法に従えば、ご先祖様がいるから自分たちがいて、ご先祖様がいなければ自分たちもいなかった訳です。

 親や曾祖父母などと仲が良ければよいことですが、もしかしたら仲が良くない人もいるかと思います。しかし、相手がどんな人でもその人がいなかったら自分も無かったのは事実です。親からの暴力行為などに対しては、まず自分の命を守り警察へ連絡すべきですが、慈悲や寛容の心も忘れないようにしたいものです。特にもう亡くなった人であるのなら、許してあげるのも仏道にかなうものです。

 お墓参りの際に、懐かしく思い出される人はそのご縁に感謝し、そうでない人もそれなりに思い出して忍辱の修行をする縁を頂いたと思い出しましょう。

 それではまた、合掌。

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