吉野家の生娘シャブ漬け戦略について

 牛丼の吉野家の伊東正明常務が解任された。早稲田大学で行われた社会人向けの講義で「生娘をシャブ(覚醒剤)漬けにする(経営)戦略」を説いた事が原因だ。若い娘を覚醒剤中毒にして性風俗店で強制労働させるのはヤクザ映画などでおなじみの手法であり、その行為を自社の戦略名にしたのだから解任も当然だろう。ここは吉野家の迅速な判断を評価したい。

 さて、伊東氏が語ったところの生娘シャブ漬け戦略とは、ロクな物を食べたことが無い上京したての田舎娘が男から美味しいものを奢ってもらうようになる前に吉野家を利用してもらい、リピーターになってもらおうというものだ。この戦略の要点は主に2つあり、一つは牛丼店を利用することが少ない女性をターゲットとしたこと、もう一つは他の美味しいものを食べたら牛丼なんて食べなくなるから先手を打って行こうとするものだ。つまり、伊東元常務は、自社の製品を通常なら食べられない不味いもので何かしら中毒性を持たせないと売れない商品だと認識していたことになる。

 また、伊東氏は田舎娘はロクな物を食べたことがないとの認識だが、費用対効果の面では東京より田舎の方が美味しいものは食べられる。また、女性が男性に奢ってもらってしか美味しいものを食べられないというのも酷い偏見だ。顧客拡大のターゲットを女性にしようというのはさほど的外れでは無いが、その方法や前提が全くもって無茶苦茶だ。

 だから解任されました。で、一段落する話かと思っていたら、意外なことにネット上ではこの「生娘シャブ漬け戦略」を支持する人が散見された。

 擁護論者曰く、表現方法が「少し」おかしかっただけでこんなに叩かれるなんて可哀そう、だとか、表現はおかしいが内容はその通りであり言葉狩りだなどという意見がみられた。ちょっと本気で何を言っているのか分からない。

 だが、こちらが相手の言っていることが分からない時、恐らく相手もこちらが何を言っているのか分かってはいまい。説得や話し合いも大事だが、時間がかかる。もし、生娘シャブ漬けが許容可能な表現であったり田舎や女性への強い偏見を常識と考える人達が社会の中枢や権力を握れば被害はより拡大する。その意味では、危険思想の持ち主を素早く排除した吉野家は評価すべきであり、間違っても不買運動などしてはいけない。

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