令和三年、春の彼岸五日目
春の仏教強化週間お彼岸の五日目です。六波羅蜜をお彼岸の各日にあてる風習では本日は精進の日です。
精進と言えば精進料理を思い出しますが、元々は努力することを示す仏教用語です。この努力とは善いことを行い悪いことをやめて仏道に励む努力です。
ちなみに精進料理の精進は、仏教の精進と神道儀式などの前に身を清め食事や行いを慎む潔斎が結びついて精進潔斎と言われるようになったことから、その際の料理が精進料理として和食のジャンルとして確立したものです。精進料理は禅宗とともに日本に輸入され発展していくのですが、その本家の漢土では精進料理ではなく素菜と呼ばれています。黄檗宗の普茶料理などがこの系統になりますが、素菜にはかなりのバリエーションがあり先人達の料理にかける情熱には脱帽です。また、この精進料理の技術が懐石料理などに発展し日本の食文化に多大な影響を与えていくのです。
何やら仏道の精進ではなく食文化の精進の話になってしまいましたが、文化を支える様々な仕事の精進もまた仏道に通じるものです。むしろ日々の生活の中の精進こそが大乗仏教にふさわしいといえるかも知れません。
さて、布施と持戒が利他的であったように、忍辱と精進は自利的な側面が大きいです。日々の生活の中で自分を磨いているからです。過酷な環境でも菩薩行を続けるのは容易な事ではありませんが精進して参りましょう。
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