破地獄偈

 華厳経の唯心偈の最後の部分を由来とする破地獄偈として知られる偈文があります。地蔵菩薩が地獄に落ちゆく人にその苦を除くために授けて解脱を得させたという言い伝えもあります。内容は以下の通りです。

 若人欲了知 (にゃくにんよくりょうち)
 三世一切仏 (さんぜいっさいぶ)
 応観法界性 (おうかんほうかいしょう)
 一切唯心造 (いっさいゆいしんぞう)

現代語訳:もし過去・現在・未来のすべての世界のすべての仏を知ろうと思えば、世界の真実をよく観察するべきだ。全ては心が作り出したものである。

 元ネタとなった華厳経はこの世の全てに仏の元があり世界そのものが仏の現れであると言う考えがあり、同時に個人からみたこの世の全ては心によって作られたものとする考えもあります。だから、人の心を覆う煩悩を払い清浄な心を観れば真理である仏の法はおのずと分かると言えます。この破地獄偈もそう言う前提で読むと意味が分かり易いかも知れません。

 実際に地獄のような状況にある時に、おちついて自分の心を見つめると何か良い考えが浮かんでくるかも知れません。もちろん、物理的に危険が迫っているときは瞑想なんてせずに速やかに逃げましょう。

 
 
 


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