学習性無力感
心理学の用語で学習性無力感というものがあります。抵抗し難い過酷な状況にずっとさらされ続けると、人は抵抗する努力をやめてしまうという現象です。ブラック企業で抵抗は無駄だと洗脳されてしまって積極的に奴隷労働を続ける人のような状態です。
これは個人の問題だけでなく、集団的社会的なあきらめ感が起きることもあります。強権的な独裁国では人々は独裁者に逆らうことやめて積極的に隷属します。独裁国で無くても強固な社会的問題に対して抵抗をやめる人は多いものです。
例えば、近年の労働環境は悪化の一途をたどっていますが、ほとんどの人が飼いならされた羊のようにおとなしく労働基準法を無視した条件で黙々と働いています。労働組合もほとんど機能していません。派遣社員や名ばかり管理職や個人事業主化など様々な法の抜け道を駆使して人々は奴隷のような状態に陥れられています。奴隷労働にあまんじる人はみな抵抗は無意味だとそれから逃れる努力を放棄しています。
本当に最低な状態なら抵抗して失職しても雇用保険や生活保護などが使え、逆に状態の改善も見込めます。奴隷労働に甘んじながらすり潰されて死ぬよりマシです。厳しい状況にある人は恐れずに行動しましょう。
あと日頃投票に行っていない人は無駄でも次の選挙には行きましょう。選択肢が無くてもどちらかマシな方に投票しましょう。投票した候補者や政党が勝たなくても、投票率が上がるということは固定支持層以外の不確定要素が増えることを意味し、政治家も幅広い意見に耳を傾けざるをえなくなります。投票率を上げることは支持政党の如何によらず公共のために有益です。
学習性無力感にとらわれるようなつらい状況にある人達に御仏の加護があらんことを祈ります。
コメント
コメントを投稿