認知症患者への虐待事件

  本日もまた、サービス付き高齢者向け住宅の職員が入所している認知症患者に対して殴る蹴るの暴行を行ったとして逮捕されています。

 以前にも書きましたが、こうした虐待行為の最大の原因は介護職員の不足と待遇の悪さにあります。もちろん、暴行するような人が一番悪いのですが、お金にも時間にもゆとりがなければ大体の人はイライラするものです。なのでまずは、怒らないように環境を整えるのは大切な事です。労働環境の改善は妥協してはいけません。

 また、ユマニチュードなどの認知症患者の介護技術を学ぶのも大切です。忙しいと研修や現場の改善も難しくなるので、まずは労働環境の改善が先決ですが、最低限でも患者様の目を見て優しく語りかける事に留意するべきです。

 最後に、個人的に怒りの閾値を上げるのも重要です。華厳経の普賢菩薩行品では怒りの心を最大の悪として捉えています。普賢菩薩は文殊菩薩と共に釈迦如来の両脇侍とされることもあり、その際の普賢菩薩は慈悲を文殊菩薩は知恵を表しており、阿弥陀如来に対する観音菩薩と勢至菩薩と同じ役割となります。怒りのコントロールには数を数えたりする方法が有名ですが、こうした慈悲の菩薩たちに想いをはせるのも仏教者としては良いかも知れません。怒りはなんだかんだと理由をつけて自己増殖します。自分の心を観察するマインドフルネス的瞑想の技術も流用できますが、特に修行していなくても瞬時に怒りを断ち切るには信仰の力を利用しない手はありません。信仰心があれば普賢菩薩にでも観音菩薩にでも良いのでお祈りして怒りを収めるのも良いでしょう。

 こうした虐待事件は被害者にも加害者にもその家族や縁者にも悲劇です。虐待事件が無くなるように祈ります。

 

コメント

このブログの人気の投稿

浄土真宗本願寺派の不祥事

妙好人、浅原才市の詩

誰がどの政党や候補者を支持しようがそれ自体が非難されてはならない