日蓮聖人忌

 10月13日は日蓮聖人の御命日です。

 日蓮宗については改めて説明するまでも無いですが、永遠の存在である釈尊が説かれた最高の教えとされる法華経を仰ぎ、法華経の行者としてこの世に仏国土を築くのを目的とした集団です。日本の仏教の中でも社会の改革改善に一番熱心な宗派と言えます。比叡山に学んだ日蓮は自身の立教開宗後もしばらくは天台沙門日蓮と名乗っており、真の天台宗の復興を目指していた感もありますが、日本天台宗は総合仏教に発展していましたので、法華経を軽んじているとして後には日本天台宗も批判の対象となっていきます。

 日蓮の代表的五つの著作である五大部のはじめの作である「立正安国論」も最後の作である「報恩抄」も自分の正しさを他宗が如何に間違っているかを中心に論じられており、このスタイルが生涯一貫したものであったことを示しています。とはいえ「立正安国論」に込められた殺気は「報恩抄」ではややマイルドになってはいます。

 こうした書物を読むと日蓮はなんて攻撃的なんだと思う人も多いでしょうが、私的な手紙などでは端々に気配りや優しさが満ち溢れた文章を書いており、人を一面からだけ見て判断する愚を感じます。

 もっとも日蓮宗の原理主義的解釈では他宗派も支持する小生は地獄行き確定ですが、歴史学的な意味での法華経は、それまでの大乗仏教が小乗仏教として差別していた仏教者たちも、五逆の悪人も、当時は差別的な身分であった女性も、さらには獣もまとめて救おうとする理念で作られていますので、小生もどうにかなるでしょう。日蓮宗には友達も血縁者も多いので許してください。南無妙法蓮華経。

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