ついにお墓まで

 人種差別反対運動に伴いアメリカで白人の歴史的記念物の破壊や毀損が続いています。今日はついにアメリカ独立戦争の無名戦士の墓まで被害を受けました。その墓石には”Committed Genocide”と落書きされており日本語にすると「(この墓に眠る兵士たちは)民族浄化に取り組んだ」というニュアンスです。確かにアメリカにより先住民の文化はほぼ滅びましたし、アメリカ独立が先住民虐殺を加速させたとの意見もありましょう。しかし、独立戦争でアメリカが戦った敵は主にイギリスです。また、アメリカが独立せずにイギリスの植民地状態が続いていても、当時の白人の思想からみて有色人種への迫害がよりマシなものになった可能性は薄く、独立戦争で戦死した兵士がいなければ、白人による民族浄化政策が推し進められなかった訳ではありません。故人が現在の価値観でいかに悪人であっても墓地の毀損には心が痛みます。それに無名戦士の墓なのですから、眠っている人がどんな人だったのかなんて分かりません。いい人だったかも知れないし悪い人だったかも知れない。分かっているのはアメリカ独立の為に戦って死んだと言う事だけです。アメリカ合衆国に愛国心を持つ人達にとってこの墓に眠る兵士たちは母国の礎を築いた英雄なのです。

 他にも差別的だとの事で奴隷解放を行ったリンカーンの像も撤去の請願署名がなされています。この像はリンカーンの前に奴隷の黒人が跪いている形で、平等で無いとの批判にあっています。平等で無かった状態を改善した事を示す形ですが、立場の上下を示しているのがダメとの事です。今後、この請願が通るのか注視したいと思います。
 
 さすがに墓やリンカーン像についてはやりすぎだと思います。これが正義の怒りと報復であるとの意見があるのも承知していますが、慈悲の心がアメリカにあるように祈ります。

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